大法院 2008.2.28.宣告 2005(フ)254判決 【訂正(特)】

    ‘特許出願をした時’を、どの時点と認めるべきかについての基準を提示


YOU ME特許法人 弁理士 許銀純

大法院は、2008年2月28日宣告 2005(フ)254判決を通じて、特許登録前にした要旨変更の補正部分を、削除する訂正審決の効力が遡及する範囲、及びこの時に訂正した請求項が、旧特許法第136条第3項に定めた、訂正要件である、‘特許出願の際に特許を受けることができるもの’であるかを判断する際、‘特許出願をした時’を、どの時点と認めるべきかについての、明確な基準を提示した。

事案の概要

出願公開後、特許査定の謄本の送逹前に、最初明細書に含まれていない記載を追加する補正が含まれたまま登録された特許の無効審判において、原告が請求した訂正審判の訂正審決があった後、特許審判院は、上記の原告が、出願公開後、登録前に行った上記補正は、明細書の要旨を変更したものであって、旧特許法第49条により、この事件の特許発明の出願日は、上記の補正書の提出日とみなされ、訂正されたこの事件特許発明は、公開された補正前の出願明細書、及び先行公知技術等によって、進歩性がなく、無効になるべきであると判断した。

原告は、上記の無効審決において、要旨変更と認めた部分のみを、最初出願明細書の記載のとおりに戻す、新たな訂正審判を請求したが、特許審判院は、これを受け容れず、これに対して、特許法院も、旧特許法第136条第3項の、訂正要件を適用するにおいて、‘特許出願をした時’とは、‘明細書の要旨を変更する補正書を提出した時’であるので、この事件の訂正審判請求は、訂正後の特許請求の範囲が、その出願の時とみなされる、上記の補正書提出日に、既に出願公開手続きによって、公知となったものであるので、特許出願の際に、特許を受けることができないものであると判断した。

これに対し大法院は、旧特許法第136条第3項の訂正要件は、訂正審判請求の内容に照らして判断しなければならず、訂正審判請求した内容が、要旨変更と認めた部分を全て除くものであれば、それは、旧特許法第49条を適用する余地がないので、訂正審決の効力は、最初出願の際に遡及すると判断した。

参照条文

(1) 旧特許法 (1998.9.23.法律第5576号で改正する前の法律)第49条 特許出願書に添付した明細書または図面について、特許査定の謄本の送逹前にした補正が、明細書または図面の要旨を変更するものと、特許権の設定登録があった後に認められた時は、その特許出願は、その補正書を提出した時に特許出願をしたものとみなす。<改正1997.4.10>

(2)旧特許法(1998.9.23.法律第5576号で改正する前の法律)第136条第3項及び第9項

B第1項第1号の場合は、訂正後の特許請求の範囲に記載した事項が、特許出願の際に特許を受けることができるものでなければならない。

H特許発明の明細書または図面の訂正をする旨の審決が確定した時は、その訂正後の明細書または図面によって、特許出願、出願公開、特許査定または審決及び特許権の設定登録になったものとみなす。<改正1997.4.10>

大法院の判断

(1)旧特許法(1998.9.23.法律第5576号で改正する前の法律)第49条、第136条第9項によると、出願人が、特許査定の謄本の送逹前に、明細書または図面の要旨を変更する補正書を提出したにもかかわらず、その補正が、特許庁審査官によって却下されずに、特許登録された後、訂正審判が請求された場合は、その訂正が受け容れられても、訂正審決の効力は、上記の法第49条によって、その補正書を提出した時までのみ遡及することになるが、その訂正審判請求の内容が、明細書や図面の要旨を変更した補正部分を、完全に除くものであれば、上記の法第49条の適用の余地がなく、訂正審決の効力は、最初の特許出願の際まで遡及するものとみなすべきである。

(2)旧特許法(1998 9.23.法律第5576号で改正する前の法律)第136条第3項が定めた訂正の要件として、訂正後の特許発明が、その出願の際に、特許を受けることができるものであるのかの要否は、訂正審判を請求した内容に照らして、要旨変更と認められた補正部分を、そのまま維持するものであるのか、それとも、そのような補正部分を全て除くものであるのかを考察して、訂正の効力が、どの時点まで遡及することができるのかを検討した後、果して、訂正後の特許請求の範囲が、特許出願の際に特許を受けることができるものであるのかを判断しなければならない。

本判決の意義

本判決は、登録前の要旨変更である補正を含む特許の、登録後の訂正審判において、旧特許法第136条第3項の訂正要件判断の際の、‘特許出願をした時’を、どの時点と認めるべきであるのかを判断する明確な基準を提示した。すなわち、旧特許法(1998.9.23.法律第5576号で改正する前の法律)第49条と、同法第136条第3項が共に適用し得る場合、上記第136条第3項の‘特許出願の際’を、無条件に旧特許法第49条を共に適用して、‘要旨変更した補正書を提出した際’とみなすべきでなく、訂正審判を請求した内容を考察して、旧特許法第49条が、依然として適用されるものであるのか、それとも、上記訂正審判請求によって、要旨変更と認められた部分が、全て削除されることによって、旧特許法第49条を適用する余地がなくなり、上記‘特許出願の際’を、最初出願の時を基準とすることができるのかを先ず検討した後、これを判断しなければならないことを明示しており、さらに、特許登録前にした要旨変更された補正部分を、全て削除する訂正審決の効力は、最初の特許出願の際まで遡及することを、明確にしたことに意義がある。

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